てんこちゃんは、誰彼かまわず、出産した子にどこの病院でお産したの?と聞き、あれこれ情報収集した。ある病院は個室の部屋の壁紙がプリティに装飾され、それぞれ違っている、とか、ある病院は分娩台に上がらず自分の好きな体勢でお産出来るとか。
そんな中、友人で割りとすぐにお産を経験した子が利用した病院がてんこちゃんもどうかな?と候補に挙がっていたこ洒落た病院だった。
その友人に詳しく聞いてみた。
すると、産後は個室で過ごせる。しかも簡易ベッドがあり、家族も泊まれる。産後すぐ母子同室。食事もおいしい。しかも、退院の前日には、グランドホテルからフルコースが届けられるという!ワーオ!!。
それから、他の病院では無いマタニティビクスがあり、希望すれば出来るという。
友人は、困った時もそう無かったみたいだけど、看護婦サン達の応対もまあまあだという。意外と満足なお産だったようだ。
今はどうか知らないけど、当時は大都市では、マタニティスイミングやマタニティビクスなど流行っていた。マタニティスイミングをすると、お産も軽くなるとか、リラックスしてお産に臨めるとかいうメリットがあるというハナシだった。
マタニティスイミングは無いけど、マタニティビクスも安産によさそうだ。
それから、てんこちゃんが産後すぐ母子同室にこだわったのには、訳があった。
当時、てんこちゃんは、ソニー前会長の井深大氏の「胎児から」という本を読み、赤ちゃんを産んですぐ産まれた子どもを抱っこすることは母子の繋がりがより密接となり、その後の育児にも大きく影響する。ということだった。母子同室も同じで、早くから一体となることでより絆が増し、育児への取り組む姿勢が違うという。そして、初乳を飲ませることがなにより大事である。初乳には、赤ちゃんに必要な栄養分免疫力が濃縮されており、その後おっぱいが出なくても、初乳だけは飲ませたい。と書いてあった。
今考えると、かなり偏った考え方だけど、てんこちゃん世代は核家族でマニュアル世代なのだ。なんでもかんでもマニュアルで動く生き物なのだ。
そして、お産は病気じゃないけど、万が一という時に中央病院が一番近くにあったので、何かあったら運んでもらえるだろう。
そこで、てんこちゃんは、N産婦人科医院に通うことに決めた。(つづく)
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